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抱き上げられて、目の前に英雄の顔が
更に近付いた。
「ぎっくり腰になっても知らないから」
「はっ、そんな軟な鍛え方してねえよ。
まだ20代にも負けねえぞ。今から
証明してやる」
ニヤッと笑い、娘の部屋を後にする。
行き着く先は、二人のベッドだ。
「英雄」
「ん?」
肩で寝室のドアを押し開ける、英雄の
逞しい首に腕を回す。
「愛してる」
ひとこと言って、青い瞳を見つめる。
「んなこたあ、とっくに知ってる」
フッと笑みを浮かべた英雄が、
静かにドアを閉めた。
__私の作った物語の締めくくりは
『三人はいつまでも仲良く暮らしました』
これ以外にあり得ない。
END
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