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よくわかっていないらしい。
主と恋人が同じ人物だった場合、独立が別居になってしまうこと。
「私たちが離れて暮らしたことって、ほとんどないと思うんだけど。どうして今になって、私から離れたいと思うの?」
「だってぼくは、おとなのティオとして主を、あなたの名誉も守りたいんだ」
うん、正しく育てすぎたかもしれない。
主としては、ティオを独立させたほうがいいのだろう。
それも社会勉強になるし、私だけに閉じ込めてしまえば世間知らずな大人になってしまう。
「……バーランドの別宅があるんだけどね」
「えっ?」
「母が若い頃に住んでた家で」
君と一緒に暮らせたら、と思わないこともなかった。
「貸して……くれるの?」
「まあ、君さえよければ」
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