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2-2
「こんな大事な日に来ないなんて、カシクも君の恋人もどうかしてるんじゃないのか」
「う……、うん。大丈夫、あなたがいるから」
「私、ティオを地上に出したことないんだよね。おおよそのことは勉強したけど、それでもいい?」
「補助する天使さまは、地上に降りるティオに蓄えられるだけ力をくれて、戻ったらまた力をくれる。それだけだよ」
「降りるティオは?」
「池に飛び込んで、人間に見えない術をかけて、えっと……何だっけ」
「ちゃんと覚えてないじゃないか! 地上は危ないんだから記憶して行け!!」
わあ、と耳を押さえる。
「もうー、そんな怒らないでよっ」
「君の命がかかってるんだから当たり前だ!」
様子を見て帰るだけだったはずなのに、と思いながらイグノトルがティオに手を差し出す。
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