2 再会の池

6/14
前へ
/107ページ
次へ
2-5  夜空を見上げ、帰りを待っているイグノトルを思う。 『アウギス……みたいだ』  絵本の中で、アウギスも地上から恋人を思っていた。  戻りたい。戻って、彼女の涙をとめたい。  ぼくも、イグノトルさまの涙を、笑顔にかえたい。幸せに、したい。  きっとティオたちは誰もが、そう思って再会の池を見上げるのだろう。  あなたに、会いたい。  ティオは地面を蹴り、再会の池を目指した。
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加