1 本当のこと

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1-4 「それでね、カシクさまに仮の主になってほしくて」 「誰かと結婚するんだ?」 「……えっ」 「地上でしょ? だから天使の補助が必要になる。でもおかしいね……、イグノトル医師は、なぜ反対なんだろう」 「ぼくを危ない場所に行かせたくないみたい」 「主がティオの結婚に反対って、おかしいよね」 「う……」  隠せない、のかもしれない。 「地上への適性検査、通ってる?」 「あ……、まだ」 「あのね、ティオ。もう少し冷静に話し合ってみたらどうかな。あるいは……そんなに悪い女性なのかい?」  イグノトルさまは悪くない。  そして、女性でも、ない。 「ぼく、結婚したいの、イグノトルさまなんだ」 「……え?」
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