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3-6
知らないティオが案内してくれたのは、公園の中にある小さな庭園で、淡い緑色をした丸い屋根があるあずまやだった。
「ここなら雨が降っても大丈夫だし、夜になったら再会の池見えるから、緊急突破で帰れ。な?」
「私なら大丈夫だよ。この子、結婚するために地上へ来たから邪魔になりたくないしね」
「地上で働ける場所、教えてほしいんだっ」
はあ、と嫌なため息が聞こえた。
「あのな……、あんたら常識なさすぎる。天使、さては貴族だろ」
「ええっ!」
「よくわかったねえ」
「普通はな、天使が落ちたらティオはソッコー引き返すんだ。結婚も任務もクソもねえ、天使の命が最優先だ」
「でもぼく、……イグノトルさまが楽しそうだったから、一緒にいたいな……って」
「ティオ……」
「見つめ合うな、コラ! ああっ、さてはあんたら、主とティオか!!」
「うん。そだよ」
「私も働いてみたいな」
「……うわ、貴族的発言」
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