71人が本棚に入れています
本棚に追加
3-8
「……あの、地上でティオたちを助けてるんだよね? ぼく、水のティオからきいて知ってるよ」
「あー……っそ。その高貴な天使なんとかしろよ、危機感なさすぎだろ」
「うんー……」
なんとか、って言われても、どうしたらいいんだろう。
「悩むな。起きたらさっさと連れて帰れ」
「空気が大丈夫なら、ここに寝かせておくから、やっぱり、夜になるまででいいから、おしごとできない?」
「百の感謝なら、適当に人間に声かけて感謝されるようなことすりゃーいい」
「……じゃなくて、地上のお金がほしいんだっ」
「カネ?」
「地上で買いたいものがあるんだっ」
「……んじゃ、両替してやるよ。天の紙幣出せ」
「リョウガエ?」
「天の紙幣を、地上のお金と交換してやるよ」
「ぼく、……持ってない」
おつかいはしたことあるけど、自分のお金ではない。
必要なものはイグノトルさまが買ってくれたから、ほしいとすら思わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!