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1-5
「だから……」
「うー……ん、恋に憧れる気持ちはわかるし、イグノトル医師は身近なひとだからだろうけど……、結婚は女性とするものだから、それは違うと思うよ」
「でもぼく、喪失の病やっちゃって、赤斑も……出てるから」
「それは、本当にイグノトル医師に?」
「う……、うん」
「だから反対なの? イグノトル医師は君の気持ちを受け入れてはくれなかった?」
「……ううん、ぼくが違う女性と結婚するんだって勘違いして」
「それならなおさら、話し合ったほうがいい」
「結婚できないよって、イグノトルさまに言われたくないんだ」
「うーん……ティオは失恋できないからなあ」
「だから、助けてほしいんだ」
「わかった、預かるよ。ただし、イグノトル医師に私のところにいることだけは伝えていい? 色々あったし、心配してるだろうから」
「カシクさまは……ぼくとイグノトルさまのこと……抵抗ないの?」
「医者だしね、色んな患者さんはいるよ」
「そっかあ……」
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