終わりと始まり

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私は言われた通り縄に首を通した それを確認する二人 「貴女はずるいです」 「今まで一度たりとも名を呼んでくれなかったのに」 「「今になって呼ぶなんて」」 何かに堪えるように奥歯を噛み締める二人 それでも彼らの手が止まることはない 着々と死への時間は近づいていってる 「アリナ様!待って…待って下さい!」 民衆を払い除け此方に向かってくる男 王様の秘書兼私の護衛 「ナイル…」 「アリナ様…アリナ様…!」 ふふ、いつも冷静な貴方からは考えられない真剣な表情 焦ったような口調 慌ただしい行動 「「ではアリナ様…」」 そう言って深々く頭を下げる二人 首元にはきつく巻かれた縄 もうすぐ もうすぐで私は 最後に民衆を見下ろす この景色はもう見ることはない だからせめて… 私の思い出として貴方達を心の中にとどめたい
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