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空と生活して二度目の冬。あの時は空が記憶を思い出したようで、冬を楽しむことはなかった。だが今回は冬を楽しむことができる。
今は空と外で雪遊びをしている。
「こーいちー!」
聞き慣れた自分を呼ぶ声とともに投げられた雪球。ぼふっという音を鳴らし頭に直撃する。
「やったなー!」
「きゃー」
雪を踏みしめながら追いかけっこをしていく。なんだか親と子供みたいなやり取りだった。だが実際そんな感じかもしれない。
「そろそろ家に帰ろうか」
「うんっ!」
雪が結構降っていて、寒いというのに空は元気だ。その元気さが羨ましく思う。
「寒かったなー…」
「うん、寒かったねー……」
自分も自分でよくあそこまで外で遊べたと思う。子供に戻ったようだった。
「こーいちー」
「何?」
「サンタさんっているの?」
難しい質問だった。だが嘘でも応えるべきだった。
「まあいるよ」
「そうなんだー…そらの願い事叶うかなー?」
「手紙でも書いて出してみたらどうだ?」
「うん!」
そう答えすぐに走り出す。真っ白な紙にペンを走らせる。
「こーいちは見ちゃダメ!」
「わかったわかった」
空から離れキッチンで料理する。
空が手紙を書いて、家のポストに入れたあと、タイミングを見計らって手紙の内容を見た。
『こーいちとずっと幸せにいたい』
なんて書かれていた。
「ははっ……空らしいな」
この時決めたのはクリスマスの夜の日に思いっきり愛してやろうと思った。撫でたり抱きしめたり色々としてあげようと考えた。
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