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「ここ……不思議だね」
「そうですね。何と言うか…別の意味でそう感じますね」
確かにさっきの本能寺の変のクエストでは思いもしなかったクエストの変化はあったし、そのどこまでが匡が関わっていたのかはわからないけど、確かに今までのクエストに比べたら“物足りない”と感じてしまうのは仕方ないのかもしれない。
(何ていうか……)
どこか神話の世界に迷い込んでしまったかのような不思議で綺麗な世界。
それが今目の前にどこまでも広がっている。
敵意もなければ殺意もない。道が複雑で迷ってしまうようなものもない。まるで私達がどこをどう通って行けばいいのかを示しているかのように、不思議な獣道が足場を明るくしてくれている。
さわさわとなる葉の擦れる音は心地よくて、何の動物の声も聞こえて来ていないけど、そんな声が聞こえても不思議じゃない位で。
血生臭いものが一切感じられない場所に私達だけの声が響く。
(世界に…私達だけみたい……)
静かで、何も誰も傷つけない世界。
「何か…やっと出てきた」
「え?」
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