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- viewpoint change A-
テューポーンは神話に登場する怪物の王とされ、ゼウスに勝つために運命の女神達を脅し、どんな願いも叶うという「勝利の果実」を手に入れようとしたが、その実を食べた途端、テューポーンは力を失ってしまった。
実は女神たちがテューポーンに与えたのは、決して望みが叶うことはないという「無常の果実」だったのである。
禁断の果実とされる知恵の実は、エデンの園にある果樹であったがこの実だけは食べることを禁じられていた。しかしその禁を犯したため、人の祖とされるアダムとイヴは楽園を追放されることとなり、彼らは死すべき定めを負って、生きるには厳しすぎる環境の中で苦役をしなければならなくなった。
説明に時折嗚咽を含ませていたが、全てを聞き終わる頃には、どうして彼がこれ程までに深い絶望を感じながらも、決して道を間違えずに真実に辿りつけたことを、感服せざるを得なかった。
(やはり君は…強いな)
もし仮に自分が同じような結論に辿り着いていたのならば、うまく自分の役割をこなせていたかどうか、真実を知った今でも想像することが出来ない。
「最初から答えは…クエストの中にあったんだ」
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