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第二章~ゆうゆう~
声には出せぬ
ここでは出せぬ
秘めた想いこそ
胸に抱いて持っていこう
貴女を想うからこそ
貴女に本心 告げられぬ
鹿よ…鹿よ……
我の代わりに泣いてくれ
紅葉をしとねに眠る鹿よ
誰も来ぬ奥山で
我の代わりに泣いてくれ
貴女を想い 恋い焦がれる
愚かな男がいたことを
鹿よ…鹿よ……
彼の地で神の使いと言われる鹿よ…
奥山の紅葉がちりばめた
紅葉の錦を踏みしめたとき
この声届けられるなら
心から 愛している……
と伝えてほしい
我の胸に抱き秘めし想いを
ゆうゆうと……
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