第1章

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 デルフィナの告白を曖昧な感じで頷いてしまう。どうしたら良いのだろうか。それでも、彼女の願いを聞かないわけにはいかない。彼女は嬉しい顔をしていたらいいな。そう思いながらカールは彼女を抱きしめた。温かな体温が互いに触れあう。 これでいいのかもしれない――。 その日の帰り道に、人の賑わう場所に連れていってもらった。せめて感謝の気持ちを渡したかった。女の子は可愛い物が好きなんだと、家族か誰かに言われた。何かをデルフィナに買ってやりなさいと言われ何か固い物を渡されたのを思い出す。確か【宝石】というキラキラしたものらしい。 町に着くと、今度はアクセサリー屋さんに案内してもらった。手で触れて髪飾りを選ぶ。 「これ、デルフィナなら欲しい?」 「え?うん。そうね、今着ている服にもあうし、今度買おうかしら、可愛いし」 そんな会話をして、カールはこれにしようと決めた。店員を呼ぶと宝石を渡してこれと交換してくれと言う。店員は了承してくれた。 「あのさ、デルフィナ。これ、いつもの感謝のお礼に。あげるよ」 そう言って手に掴んでいるアクセサリーを少し前に渡す。彼女は全く違う方に差し出されたアクセサリーを少し移動して、正面から受け取る。 「ありがとう。大切な――宝物にするわ。絶対に誰にも触れさせもしないんだから」 そう言うと彼女は髪にアクセサリを付けた。蝶型の髪留めは銀色に綺麗に輝いている。 デルフィナの悲しみとしては、この姿を彼に見せられないことだった。 それでも、愛しい彼がくれた物なんだ。絶対に大切にしよう。彼女は改めてそう思った。 そして、月日が流れ――今に至る。 どうしてカールとデルフィナがロベルタと合流したのか。 それは、また別のお話。
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