雪の檻

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 「お前が私の制止を聞かずに部屋に突っ込むからこうなったのだが?」  少しイラついた声で相棒の河内与羽(かわうち・よはね)が言った。  俺、浦凪唯史(うらなぎ・ただふみ)には弁解の言葉がない。雪の季節に現れるただのスノーマンだと思って油断し、敵が用意した隔離部屋に閉じ込められたからだ。入ってきた襖を開けると一面の銀世界。窓から脱出しようと思ったがどうやっても開かなかった。  「掘り炬燵と火鉢で暖は取れるけど、動きようがねぇよなぁ」  「それより、お前は男物で私が女物なのが気にくわん。私も男なんだがな」  俺達は部屋に入ったとたん和装になっていた。
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