ロボットの話

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おぎゃあ と産まれて ハイハイ あんよ エライエライ すごいすごい とほめられて ゆっくり大きく育ったら 否が応でも 働け 働け 働いて 働いて 働いて エライエライ すごいすごい とあおられて 過ぎてしまえば 光陰の 薄っぺらさに 茫然自失 そーいや最近 頭は冴えねぇ 体は効かねぇ 年とって 衰えて 動くたんびに どっこいしょ いずれ 力 尽きる その日まで どっこい しょ っと (最後は笑いもできない) 古いロボットがお払い箱になった 古いロボットは最近まで働いてた お酒の飲みすぎがタタって 足が動かなくなった 自業自得だ 直そうにもパーツが古い型なので 直しようがない オーナーは "稼げないロボットは要らない" らしい 当然だ オーナーはそのロボットが好きだ それでも… "稼げないロボットは要らない" らしい 当然だ ロボットがよく働いてた頃は ロボットは "ロボットさん"と呼ばれていた それが"ロボット"になり いつか"ポンコツ"になり そして"クズテツ"になり いよいよ今日はお払い箱 ロボットの格納庫は足早に片付け 新しいロボットの受け入れを待つ ロボットに身内はいない ロボットだから… ロボットは役所に行った 必要最低限の燃料と 必要最小限の格納庫の手続きの為 良いことも出来ず 悪いことが出来ず ただただ働いて酒を飲んだ ロボットが いよいよ今日はお払い箱… 自業自得だ しょうがない お疲れさま…です。 (最後は笑いもできない) ハハ…
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