小石と小鳥と

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晴れ渡る空を仰げば山青葉 渓流の水透けて鮎は仲良く跳ねる 白いワンピースに麦わら帽子 繋いだ手のひらやらかくて 私の心は幸福で膨らむ風船 その頬は桃色光るうぶ毛の愛しさ 比叡降ろしになびく黒艶髪の 天使の輪に天使の微笑み 涼しい水面の清々しさに時止まり 薫風さいて鶯飛べばまた 刻まれる永遠の一瞬 川床に反射する山びこは天使の声 「サンダル履いてね」 足元伝わる清流の冷たさ心地よさ 君の投げた水切り石は 大事な山女を滝壺に帰す その美しい軌道を残して 渓流の中で 丸くなるまで…
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