賀茂川の話

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東京の川は結構大きいかな 深くて… ん~ 結構臭いかな 川は負けない 東京ごときには 田舎はね 晴れても 雨がそぼ降っても 優しい流れ 浅くて 歩いて 渡れる 足首まで 冷たくて 心地いい 裸足で 今では 京の都の暴れ川は 勾配が急でよく氾濫した 階段みたいに 段々にして 治水 緩やかな流れに 変わった 緩やかな流れは 比叡山からの冷たい水は 友禅染の染料の定着に 一役かって 少しずつ汚れた川は 住んでる人たちが 少しずつゴミを拾って 少しずつ元に戻した 川に水鳥が戻ってきた 子供は川に降りて 治水の石組の隙間に入った小魚を 手づかみ… びくびくびく 川面は光って きらきらきら 不思議なんだ 川に入って じっと 立っていると 上流から下流に 水が流れてる だけなのに まるで 自分が水の中を 上流に向かって進んでいるような 感覚が… 錯覚 か なんかさ 人生みたい だよね
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