ある日のこと

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ある晴れた日… 渓流まで釣りに行きました あれですよ 水は冷たくてとても綺麗だし 渓流に射す太陽は明るく澄んでて 陽射しを受けた 樫や漆の葉は ステンドグラスみたいな 緑色ですが けして 人里離れた場所でなく… どちらかといえば 観光地的な避暑地的な とにかく人の集まる渓流ですよ だって さみしいのやだし こだわりないし だから浅い渓流の 上流と下流を石組で堰を作って 塞き止めて そこに鮎とか岩魚とか山女とか 放流してね 釣ったら 塩焼きにして 食べさせてくれるような そんなところですよ え? それじゃあ つり堀じゃないかって? そうなんですか? ええ、ええ それでいいんですよ むしろ それがいいんですよ 大切なのは そういう自然の中で 太陽ぽかぽか… 涼しい風が… サァ――――――――――ってさ 空気が美味しいところで 岩に腰掛けてさ 釣糸を垂らしている その感じがさ… ね いいでしょ? あ~ なんか眠くなってきた… んがっ‼ あ。
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