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初めて自分の為だけに
作ってもらった弁当は
高校受験の時だったね
京都はその頃
給食は小学校まででさ
中学に上がると弁当を持たされる
でさ
俺達は
そういう所で育ったから
弁当の中身はみんな一緒な訳
俺達の学年は人数が多くて
クラスに2～3人いるのさ
同じ中身の弁当が…
なんか恥ずかしいじゃん
だから出来るだけ離れて食ってた
女の子もいたから
俺達より恥ずかしかったろうね
残すと
なんちゃらかんちゃら
うるさいのよ
だいたい茶色のオカズとご飯でさ
黄色はたくあん
赤は梅干し
自分でふりかけ買ったりさ
ある時
誰かが弁当を便所に流したのが
見つかっちゃってさ
それから１週間
全員"日の丸弁当"
ご飯に梅干し
え～～～～～～～～‼だよ
漫画みたい…
連帯責任だね
中学生だからね
昼になると腹減るから困ったね
みんなが弁当食べてる教室から
抜け出してね
それでも意地があるから
便所に流してやせ我慢
農家の人と
お米の神様ごめんなさい
だよ
で、高校受験の日
ある保母さんがね
自前で弁当を作ってくれたのさ
可愛いらしい弁当カバー
可愛いらしい弁当箱
弁当箱はビニール袋に包まれてさ
中開けるとカラフルなのよ
米よりオカズが多くてさ
嬉しかったねぇ…
子供はね
わかるよ
感謝してると思うよ
お弁当。
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