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あれはもう、20年以上前のことだ。
当時大学生の私は、運動神経が鈍く入学当初からスポーツ系のサークルだけは入らないと決めていた。
しかし運命というものは命を運ぶもののようで、勧誘活動をしていた2年先輩の女性マネージャー、南ユキに心を奪われた。文字通り命を運ばれた訳だ。
即座に入会を決め、翌日からほぼ毎日彼女にくっついて歩いた。今ならば一つ間違えれば大問題になりかねないが、当時は少しおおらかだったのかもしれない。
彼女は彼女でそんな私の下心も見抜いていたようで、用事を言いつけられては距離を置かれていた。
だが私はそれで満足だった。彼女と近い場所で同じ空気が吸えるだけで嬉しかった。
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