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「パパ…?」
声をかけられ後ろを振り返ると、缶ビールとジュースの入った紙コップを持っている妻がいた。
「コウタは寝たの?」
妻から紙コップを受け取り、ジュースを飲んだ。
「うん。はしゃぎ疲れてぐっすり。」
坂口はコテージのテラスにあるベンチに座っていた。
「なに?もの思いに耽っている?」
その声は穏やかで、いつも坂口の心を安心させてくれている。
「ん?うん。学生の頃をね。思い出してた。」
「なあに?私にも聞かせて。」
坂口の妻は夫の隣に寄り添うように腰掛けた。
ひとつ息を吐き、苦笑しながら坂口は妻に話し始めた。
「学生の頃、ここで合宿したときに…」
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