聖なる夜に

「……ごめんな」

耳元でそう呟くと、腕の中で頷いたのがわかった。そして僕は、また彼女の首に手をかける。彼女が息を呑み、身構えたのがわかった。

「ごめん、本当にごめん。ごめん、ごめんな」

僕は何度も謝罪を繰り返し、彼女の首を絞めた。僕自身謝っている理由がよくわかっていない。僕の目には見えない罪悪感に押しつぶされそうになっているのか、実は僕の中に別の僕がいて、その僕が言葉を発しているのか。

彼女の手が僕の背に回り、その手が僕の服をきつく掴んだ。まるで、僕のことを受け入れる覚悟を決めたかのように。

手に加わっていた力がスッと抜ける。それと同時に僕の服も彼女の手から解放される。僕の服を解放した彼女の手は、その流れで僕の身体を彼女の身体に引き寄せた。

彼女は少し背伸びをして僕の耳元に顔を寄せる。彼女はまだ息切れをしていて、僕の耳元で彼女の息遣いが聞こえる。僕は彼女の手に抱かれたまま、彼女の息が整うのを待っていた。規則的な呼吸の中、スッと、唐突に彼女が息を吸う音が聞こえた。