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7番ではない。安堵の溜息を吐いたコオリは、次にマツリの元へと駆け寄ると「悪い……家治」と断ったうえで、胸につけたネームプレートから紙を取る。
《2》
「マツリでもない……助かった……」
あちらこちらでコオリだけではなく、様々な安堵の声や溜息が聞こえてくる。自分が7番ではないと知った同窓生たちは、次に【7番が誰なのか】が気になるきょろきょろと首を回しては、傍にいる同窓生の名札をみた。
「誰なんだ一体」
コオリも他の人間同様に辺りを見ながらトウサに話しかけるが、トウサの返事はない。
「どうしたトウサ?」
「……」
トウサは名札の紙を見詰めながら固まっていた。
「トウ……サ」
トウサが握りしめていた名札に書かれていたのは《7》――。
ゆっくりと、トウサはコオリを見上げると「コオリ、……変わって?」と震える声で言った。
トウサはマツリの首を抱え、まん丸に見開いた目でコオリを見詰めると、どういう感情なのか薄く笑い、
「ねぇ、ほらあたし、さ、マツリを介抱しなきゃだから! 変わってよコオリ、ねぇ変わって!!」
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