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結果、具貫の左手に痛みは走ったものの、骨が砕けたり肉が潰れるどころか、腫れることすらも疑わしい程度の一撃だったのである。
『カードドロ～』
同窓生たちの誰もが、ラウンド１の結果に安堵の溜息を吐いたのだった。
これでなにかが解決するわけではないのに、恩師と仲間の凄惨な痛めつけ合いを見ずに済んだことに胸を撫で下ろした。
『おっとぉ～？！ お次はグッチ大先生が【９】、そんでもって……トウサぴょんが【２】だぁ～～！ 先生頼みますよ～』
あくびをしながら面倒そうに王様は実況し、具貫のハンマーチャンスを告げる。
「グッチ……」
トウサは覚悟した瞳で具貫を見た。自分がさきほど具貫にしてしまった一撃と同じ痛みが受け止めようという強い眼差しだ。
「折中、先生はさっきこう言ったはずだ」
「うん……」
具貫は優しく微笑み、トウサを見詰めながらハンマーを手に取り振りかぶる。
『お？』
王様が具貫のハンマーを見て短く反応を示した。
「え？」
トウサが具貫の振り上げたハンマーを見て思わず声を漏らす。
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