chapter.2 『ディスイズ ア ハンマー』

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 解説の途中で自分の話に突っ込みを入れると、次の写真に変えるように指示すると別のアングルからの写真に切り替わった。切り替わった写真には一枚目に登場したイタリア系の中年が白いつなぎを返り血で真っ赤にし、手に鉄の金具をいくつも持ってカメラに笑いかけている。 『そして、見るからにみすぼらしかった男は、匠の業によって鮮明で鮮烈な赤一色に生まれ変わったのです! うわ、やっべ泣けてきた!』  絶叫は止むことが無く、会場に来ていた半分以上がすでにスクリーンから目を背けていた。 『そうそうそういうことそういうことー。どっちにせよ死ぬんだよ。カード化しようがしまいが。これでわかったでそ? うちが【カードだけしか持ってない】理由とか。愚民どもをカード化しても出す気はないってこと』  王様はプロジェクタの映像を次々と切り替えながら、市崎の死体写真ばかりを写し『あ、女性優待制度もあるよ! 女性がカード化された場合……今ならなんとレイプつき!』と笑った。
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