chapter.2 『ディスイズ ア ハンマー』

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『隠れて助けを求めるのも結構。GPS的な奴で現在地調べるも結構。なんでもOK~ルール無用の親切設定だからぁ~。見つけた場合は、折角なんでさっきの写真に写ってた市崎くんみたいにレゴ化してもらいまーす! こりゃみんなこぞってスマホするっきゃない!』  王様がそのように言いながらスタッフはプロジェクターを片付けてゆき、再び例のテーブルが前に出され、ゲームはまだ始まっていないと観衆に告げている。それを無言の返事でもって知る観衆たちは、ただ自分がプレイヤーにならないことだけを祈っていた。 『じゃ、時間押してるんでぇー。いきまっしょい! まっしょいまっしょい! そうだなぁー……最初のプレイヤーはぁ~』  マツリを見詰めるコオリは、こちらを見つめているトウサと目が合った。 ――大丈夫。ミハルがきっとなにか突破口を見出してくれる。  言葉以上にコオリはトウサに向けて眼差しで答えた。 『やっぱりぃ~最初はぁ~ぶっちゃけ盛り上げないとぉ~って感じなんでぇ~。……さんねぇ~ん、えふぐみぃ~……!』
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