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『このアプリさー。ランダムに数字を出すってだけのくっだらねーアプリなんだけどぉ~、今日この素敵やんゲームをするにあたって、落としたんだよねー。いやいや、便利な世の中! 探せばなんでもあるんだから~』
『ドゥルルル~……バン! 7番!』
会場が静まり返る。王様が発表した番号がなんなのか誰も解っていないからであった。それぞれが名札の名前を確かめたり服の袖や肩を調べるも、王様の言った数字らしきものはなかった。
『あれ? ミステイク? ありゃりゃ困った!』
王様がオーバーに自らの頭を叩いていると、袖からスタッフが王様に耳打ちをする。
スタッフが耳打ちすると、王様の表情がパァと明るくなり『そうだそうだそうだった!』と嬉しそうにはしゃぐ。
『名札を取って、裏をみようー。君の隠された番号がわかっちゃうぞ!』
コオリは王様が言った直後、反射的とも言っていいほど早くプラスチックのネームプレートの中から名前の書かれた紙を取り出した。
《1》
「……よかった」
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