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俺は零課にいた。
家宅捜査の結果ともに殺害されていた五十嵐志木のことも。
「まさか…殺されていたなんて。」
「俺も驚きましたぜえ…なんせ目の前で死んでいるんですから。」
挑発のように新島は言う。
その挑発に乗られたと思われる部長は
「あなたは黙ってなさい!」
と新島に吐きつけた。
おー怖いねーと冗談交じりに言っていた。
が、彼は俺の目を見ていた。
用事は俺のようだ。
「神崎、怪しくねえかこの事件。」
「なんでだ?」
「どう見ても俺たちは犯人を知っている気がする」
「理由は?」
「刑事の…」
「刑事の勘ってやつか?」
「そう!刑事の勘だよ勘!」
「その勘、当たってるといいな。」
「ただいま帰りました!」
秋山、立花の声が聞こえた。
どうやら収穫があったらしく嬉しげだ。
「収穫はあったか?」
「ええ。被害者2人やはり…」
「身体を売っていたのか?」
「あ、ああ。」
「五十嵐ミサも同じそのことを、してたようだ。」
「んじゃ3人とも…」
「ああ、これで納得できたな。」
「五十嵐志木も死んだし事件は起きないんじゃないですか?」
「いいやそれがもう起きてしまったんだ。」
「どういうことだ神崎。」
「五十嵐志木は犯人ではない、犯人は別にいる。
そう考えると五十嵐志木は殺害ってことになる。」
「確かにそうなりますね」
「犯人はとんだ間違ったオリジナルへの道を進んだらしい。」
「どういうことですか?神崎さん」
「犯人は五十嵐志木を殺したんだ。
男性にも関わらずな。」
「なぜ殺したんだ?」
「理由は簡単。“犯人を知っていた”からだ。」
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