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異動してきてから俺は悪夢を見るばかりだった。
それはあの時の夢。
撃った夢、あの夢から逃げることはできないのか。
俺はもう代償を背負った。
せめて悪夢だけ見させないでくれ…
そう思うばかりだった。
「神崎さん大丈夫ですか?」
彼女は「立花 薫(たちばな かおる)」。
俺より1つ上だが後輩という立場だ。
彼女の代償は「加担」。
それは善の心持ったがあげく、犯罪者達に騙され犯罪に加担したという。
「ああ、大丈夫だ。」
「ならよかったです!」
「神崎はまだまだ甘っちょろの代償者だ。
放っておけ。」
キツく言っているこの男は「新島 清(にいじま しん)」、代償は「不正」。
自分自身の欲望がために不正を働き、それで警察に拘束。
この零課に異動されたという。
「そんなこと言わないであげないでくださいよ、新島さん!」
「ふっ、殺しをした刑事なんかくたばるべきだろう。まったくなんでこんなやつ残したんだろうな捜査一課の部長はおかしいんだろうにねえ。」
この通り欲望のためなら何がなんでも落とす頭がいかれてる刑事だ。
「俺のことは別に馬鹿にして構わない。
だが部長のこと馬鹿にするんじゃねえよ、それでも刑事なのかネズミよ」
「なんだと…!?この若造め…」
「今のは新島が悪いですね、口を慎め。」
新島が舌打ちしたがまだこちらを睨んでくる。
どうやらよほど俺をやめさせたいらしい。
「大丈夫かい?」
「ありがとうございます秋山さん」
この人は「秋山嶺二(あきやま れいじ)」
代償はわからない。
わかることはなぜここにいるかわからない刑事だということ。
「新島には気をつけておいてね。」
「でも神崎さんならパパッと倒せちゃいますよ!」
「こら薫さん、静かにしてなさい。」
「わかりました~。」
「そういえばカナ部長は?」
「え?いや、見てないですね」
カナ部長というのは本名「飯島カナ(いいじま かな)」。
この課の部長であり代償は「麻薬」
以前部長は麻薬漬け生活だったらしくそれがバレて刑務所行きで麻薬をやめさせる病院へと通っていた。
復帰し、自ら零課異動を頼んだという話だ。
「呼んだー?」
「カナ部長。」
「もう部長はやめていいよ神崎くん。
零課は気軽な人達が1人含まないで3人いるんだから!
気軽に話しかけなよ?」
きっとその1人は新島だろう。
「あ、はい。ありがとうございます。」
「よし。みんな、事件が舞い込んできたよ!」
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