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俺たちは事件現場へと向かっていた。
「しっかしなんでお前との捜査なんかねえ」
それはこっちが聞きたいぐらいだ。
「仕方ないだろ、部長からの指示なんんだからな。」
「部長…部長ってあいつが一番やばい犯罪者じゃねえのか?」
「はぁ…」
俺はため息をつきながら運転していった。
こいつも欲望しか動かない、まさに最低の刑事なんじゃねえのかと思いっきりぶちかましたいぐらいだ。
でも今は出来ない、なんせ一時的なコンビを組んでいるのだから。
「おい神崎。なんであれに気づいたんだ?」
「あれ?ああ、婚約指輪の跡か。」
「普通の刑事ならそこまで調べる必要性なしぐらい思って無視することなんだがね」
新島…まさかこいつもわかっていたのか?
そうだとするとこいつもこいつでちゃんとした刑事らしい力を持っているな。
「気づいていたのか?」
俺が尋ねると
「俺も刑事だ、わかるに決まってる。」
そのわかるが逆に違和感なんだよ新島。
お前がそこまでわかっているならなぜ言わなかったんだ。
「気づいていたんだったら言っとけば良かっただろう。」
「ふん、どうせ俺の発言なんか当てにしねえよ、あいつらは。
俺のこと嫌っているんだからな、“別の意味”で。」
「え?」
別の意味?どういうことだ?
性格で嫌っているわけじゃないのか?
「おっと甘っちょろの若者には詮索する必要はないぜ?」
ちっ、バレてたか。
「そんなわけないだろ、事件現場に向かうぞ。」
「かかってこいってんだ。」
この課は一人一人秘密を抱えてるようだ。
俺のように。
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