ジャック・ザ・リッパーの後継者 前篇

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「ここが五十嵐の仕事場か。」 「ほら行くぞ神崎。」 「ああ。」 俺、新島は五十嵐の仕事場へと入っていった。 だがその仕事場は無駄な時間と変わる。 「退社!?五十嵐がですか?」 「ええ…それっきり連絡はないですし奥様とごゆっくりしてるかと思いきやこの騒ぎですからね…」 説明すると、 五十嵐志木は一昨日を持って辞職。 それっきり四島(しじま)社長は連絡も取っていないという。 「じゃあ最後に見たのが一昨日ってことになりますよね?」 「はい…私が見たのはその時が最後でした。」 「神崎、これはまさか…。」 「今すぐ戻って零課で説明しなければいけないようだな。」 これは確実に五十嵐が犯人という決定事項。 だが動機は?もし恨みとかならそれだけなら3人目だけにすればよかった。 何か何かが欠けてる。 俺はそう思うばかりだった。 俺たちは警視庁に向かっていた。 「それにしても犯人がすぐわかるとはな。 驚いたもんだぜ。な?神崎。」 「果たしてそうだろうか。」 「なんか引っかかるのか?」 「五十嵐が犯人だとすると動機はなんだ?」 「恨みとかじゃないのか?」 「だったら3人目の嫁だけにすれば良いことだろう。」 「まぁ…そうだろうな。」 新島はうずくまってしまった。 「でも婚約指輪を見つけたことで少しは変わるだろうな。」 「どういうことだ?」 「俺があのとき言った共通点が成立するかもしれないってことだ。」 「あの既婚済みっていう共通点か?」 「ああ、殺害方法はナイフ。しかも既婚済みか…」 「どちらにせよ零課に帰らねえと行けないとわからねえもんだぜ?」 「確かにな、はやく向かうとするか。」
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