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帝都一とうたわれる麗明館(れいめいかん)で。
私は群衆から抜け出し、エントランスで一人、ため息を吐いていた。
パーティーの中で興じられている意味のない会話も。
牽制しながら腹の中を探りあうことも。
それを笑いながら、なんなくこなしていくことも。
私には苦痛で仕方ない。
けれども、出席を拒むのも憚られた。
今回のパーティーは、戦勝記念のパーティーであり、戦地から帰還した将校たちを労うためのパーティーでもある。
各界。様々な人々が集まっている。
私が率いている『内務監査隊』
通称『内監』では、軍内部の反逆者や犯罪者をあぶり出し、検挙していく部隊。
様々な人々の人間関係や繋がりを常に把握する必要がある。
そのためには、こういったパーティーに出席することも重要な意味を持つ。
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