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「お前何してたの、今日は。平和だったのか?」 彼からの電話はいつも夜。 健康的な生活をしている人々なら、もう寝静まった頃。 「んー、いつも通りだよ。普通に色々、特別なにも」 私は窓の側のスツールに腰かけて、出窓の、外へとせりだした三角のスペースにいるポトスの緑を眺めながら答えた。 ポトスは、薄い透明のガラスの丸い器の中で根をむき出しにして水に浸かってる。 「毎回それな、テキトーだなほんとに。まぁ、何もなく平和なら何よりだ」 少し呆れたようにそう言う。私が落ち込んだり、寂しい思いをしたりしていないかを心配して、それが取り越し苦労であることがわかると安心する声。 わざわざ言葉にするほどでもないような、些細なささくれは、そんなさりげない言葉で充分に癒される。 「言うほどなにもしてないからね、そうそう面白いネタもないよ」 同じようなことをただ繰り返しているような毎日の中で、誰かに話したい程の感情があるとしたら、今のこの時間のことだと思う。
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