第1章

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招待客の誰よりも早く外に出て、送迎のバスを待つよりも、バス停に行ってしまおうとしていたら。 「お式も披露宴も、終わりましたのね。」 先ほどのお婆さんが立っていた。 え・・・あれから3時間は経っていると・・・ 「あの・・・?」 「あらまあ、ごめんなさいねえ。私ったら名乗っていませんでした。お婆ちゃんなのですもの、耄碌していると思って許してくださいな。」 「いえ、そんな!」 耄碌どころか、非常にしっかりしているお婆さん。 俺は、足下に引出物の袋を置くと、ポケットから名刺を取り出した。 「県外ですみません。東京の方で、居酒屋をやっている烏丸泉実と申します。」 名刺を受け取ったお婆さんが、それをじっと凝視している。 字が細かくて見づらいのかな。
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