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招待客の誰よりも早く外に出て、送迎のバスを待つよりも、バス停に行ってしまおうとしていたら。
「お式も披露宴も、終わりましたのね。」
先ほどのお婆さんが立っていた。
え・・・あれから3時間は経っていると・・・
「あの・・・?」
「あらまあ、ごめんなさいねえ。私ったら名乗っていませんでした。お婆ちゃんなのですもの、耄碌していると思って許してくださいな。」
「いえ、そんな!」
耄碌どころか、非常にしっかりしているお婆さん。
俺は、足下に引出物の袋を置くと、ポケットから名刺を取り出した。
「県外ですみません。東京の方で、居酒屋をやっている烏丸泉実と申します。」
名刺を受け取ったお婆さんが、それをじっと凝視している。
字が細かくて見づらいのかな。
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