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今日は、一人で来ているのか、怪しい気配はない。
あくまでも、怪しい気配は。
代わりに、とんでもないものを持っている。
「出してくださる?それ。」
「え・・・」
「あなたをお守りくださる神様にも、ご挨拶しなくてはね。」
「!!」
何という神気を発するものを隠し持っているのだろう。
元来、四屋敷の女は、神の力を借りることに長けている。
だから、間違いようもない。
この男は、神の恩恵を受けている。
一子さんが見つめていると、烏丸と名乗った男の顔色が悪くなっていった。
自分に言い当てられたことがそれほどショックだったのかと、一子さんの方が驚く。
「誤解なさらないでね。あなたがどうということではないのよ。まあまあ、そんな青い顔をして。私、すっかりあなたを動揺させてしまったのねえ。」
どうしたものかと思案し、一子さんはあることに気づいた。
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