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そろそろ披露宴が終わりそうだと分かったのは、太刀風が知らせてくれたからだった。
外で様子を見させるなんて、寒かったでしょうにごめんなさいね、と一子さんが社務所から出て太刀風の手を握る。
式神に過ぎない相手には、過分なほどのねぎらいだ。
太刀風は、一子さんの手を額におしいただいて、すっと姿を消した。
それとほぼ同時に、披露宴が行われていた建物から、あの男性が現れた。
その表情が、暗い。
『おかしいわねえ。披露宴なんて、お祝いの席でしょうに。疲れたわけでもないみたい。』
そんな風に思いながら、一子さんは男性に声をかけた。
自分がまだ名乗っていないことを謝ると、男は慌てて名刺を出して、それを一子さんに渡しながら「東京で居酒屋をやっている烏丸泉実」だと名乗った。
その名前に、一子さんは聞き覚えがあった。
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