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「店主には、何かあったらいつでも連絡くださいと伝えてきました。そうしたら、私が身内に何とかさせると。母、よろしくお願いします。」
「どうしてあなたはそう勝手なことを言うんです。」
一子さんが扇子で娘の頭をぴしりと叩く。
「痛いです、母。暴力を振るうのでしたら、土産物のひよこ、返してください。」
「あなたはもう身内がどうのと言ってしまったんでしょう。あなたが訪れて関わったことで、きっと縁が出来たわ。いずれ、私もそれに惹かれることがあるでしょう。」
だから、土産は返しませんよ、と一子さんはもらったひよこと芋羊羹の箱を自分の後ろの隠してしまった。
そして、目の前にいる青年。
一子さんの記憶に間違いなければ、彼は娘の十子が東京で訪れた居酒屋の店主だ。
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