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「神社を出てすぐのところに、古いけれど美味しいケーキを出す喫茶店があるんですよ。そこでお話しましょう。」
男は、時計を見て、新幹線がどうのと言っていたが、尋ねてみると指定席というわけでもないらしい。
「でしたら、駅まで送りますよ。ええ、私、車で来ているの。運転は、若いものにお願いしているんですけどね。」
一子さんは、半ば強引に男を誘うことに成功した。
喫茶店は、他に客が2、3人。
一子さんは、男と向かい合って座った。
一子さんは、ベイクドチーズケーキと紅茶を、男はコーヒーを頼んだ。
一子さんは、結構甘味好きである。
「先に私のことをもう少し詳しくお話しておけばよかったのねえ。あなたをすっかり狼狽えさせてしまって。」
ごめんなさいねえと謝りながら、一子さんは自分の四屋敷の当主の立場を男に話した。
続く
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