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「あら?今何か変な香りが…」
すんすん
着物を着た少女は、鼻を鳴らしながら手にした栞の匂いを嗅ぐ。
「何!?この栞!すごく臭いじゃ無い!」
鼻を摘み顔を背けるが、何が気になるのか少女は恐る恐るだが再び栞を鼻の下へ持っていく。
(でも何かしら…?この香り…どこかで…)
すーっはーっすーっはーっ
(そう…例えるなら脱ぎたての靴下の様な鼻腔から脳へ突き上げる様な異臭…臭いのに何故かまた嗅いでしまうそんな香り…)
すーっはーっすーっはーっ!
(あぁ、ダメ…。嗅いではダメなのは理解っているのに、瞬きするのも忘れて匂いを嗅いでしまう!)
すーっはーっすーっはーっ!!
(く、臭いっ!鼻が曲がりそう!なのにやめられない…どうしてなの…)
少女は本を読む事も忘れて、栞の匂いを嗅ぐ事に没頭したのだった。
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