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「え?明日!? お前んちに?いやいやいやいや!」
照れて遠慮しているな。河南。
「明後日は月曜日だけど、時間あるか?」
「え?無くはないけど、でも学校帰りだから遅くなるよな」
「じゃ、やっぱり明日来いよ。そしたらゆっくり出来る」
「ゆっくりできるかも知れないけど……」
「取り立てて用事は入ってないんだろ」
「うん」
遠慮は要らないぞ河南。
「じゃ、明日途中まで迎えに行くから、ウチで一緒に昼メシ食おう」
「え?悪いよそんな」
「気ぃ使うなよ」
「無理だよ」
こんな遠慮がちなところも河南の魅力だな。
「じゃ、ファミレスで一緒にメシ食ってそれからウチ来るか?それならいいだろ?」
「ん……まぁ……。でも、今日服も買ったし、ランチとか、カフェとか……今も金使っちゃったから……」
ああ、コイツはバイトしてないんだっけ。
「じゃ、俺がサンドイッチでも作ってくから公園で一緒に食おう。それならいいだろ?」
「えっっ!高遠、サンドイッチなんて作れるのか?」
「サンドイッチくらい誰だって作れるだろう?」
「そうなのか!?」
なんだそのキラキラした目は。
嬉しくなるじゃないか。
「河南は、何の具材が好きなんだ?」
「えっとね、タマゴ!」
えっとね……って、子供に戻ってるぞ河南!
「ジャムもすき!」
幼稚園児か!
「そうか。じゃあ、甘いデザート系のサンドイッチも作ってくよ」
「ほんとにー!?」
無邪気だ。
言わなければいけないことは何一つ言えていないまま、バーガーセットが来てしまった。
けど、河南がご機嫌になったからまあいいか。
続きはハンバーガーを食ってからにしよう。
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