6-河南は告白に動揺するがスルーされる

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ご機嫌でハンバーガーにかぶりつきながら、オレはちょっとソワソワしている。 うーん。 なんでかな。 なんで明日も高遠と会うことになっちゃったんだ? しかも、オレ、ウキウキしている。 あの高そうなマンションに入れるし、眺めはすごいいいらしいし、しかも高遠ん家だし、さらに高遠がサンドイッチ作ってくれるって! 甘いのも作ってくれるって! 母ちゃんには甘いの作ってとか言いたくても、子供みたいだからって言い出せなかったんだよな。 なんなんだ高遠、優しさバーゲンセールは明日も続行なのか? ああ、もうオレほんと女子じゃなくって良かった。 女子だったら、彼女でもないのにこんな扱い優し過ぎる!って、逆ギレしてしまうレベルだ。 いや、いや、待てオレ。 同級生の家に遊びに行くだけなのに、女子だったら勘違いしちゃうとか、その発想自体が間違ってるだろう。 今までだって普通に友だちんち遊びに行ってるし。 高遠ん家もそれと同じだ。 くそっ。これがイケメンマジックか? 多分、アレと同じだ。 テレビのバラエティとかでやってる、男なのにイケメン俳優に壁ドンされると照れちゃう……みたいな。 そういうことだ。 って……うあぁぁぁぁぁ……。 「ついてる」 オレの口の端を指で拭うな! そんな、ベタな……。 壁ドン並みにベタだ。 いや、誰しもが照れてしまうからこそのベタなんだ。 くっそ。 「河南、顔が赤いぞ」 わかってるよっ! わざと恥ずかしがらせようとして言ってるだろ。 そして、恥ずかしいよっ! ……あれ?でもさっき……マンション? 「なんか話、途中じゃなかったっけ?」 「ああ、マンションの眺めがいいから視力がどんどん上がってな、今は0.6から0.8の間をうろちょろしてるんでもう眼鏡はいらない」 「は?」 へっっ? ふぁぁっっ???? 眼鏡は………い…ら…な…いぃっ??? 「たまにどうしてもってときはコンタクトもあるし。ていうか0.7平均だし、まだ視力上がりそうだし、コンタクトを使う場面もないかな」 「はぁっっ???え?でも、今日眼鏡いっぱい見ただろ????眼鏡屋三軒も見て、いろいろ似合っててすげぇカッコよかったのに!てか、買わないなら何で三軒も巡るんだよ!」 「ああ、楽しかったな」 「うん!いや、そうじゃなくてっっっ!」 「河南、眼鏡好きなんだろう?」 「うん!いや、だから!そうじゃなくてっっっ!」
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