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「ああ、ごめんごめん。怒るなよ。でも、ちょっとバカなところもすごく可愛い」
「嬉しくない。てか、ムカつく」
「そうか。でもそんな河南も可愛いよ」
そう言ってまた、ぎゅっとされる。
「雑だ。『そんな』ってどんなだよ」
「ふふ……そうだな。どこもかしこも可愛い」
今度は頬をつつかれた。
う……なんだろう。
もう、誤摩化しようのないくらいイチャイチャしてないか?
これで口説いてないとか言ったら、逆に頭おかしい……。
いや、でも高遠の悪ふざけスキルは想像を軽く越えてきそうだからな。
オレをその気にさせて、あとで『河南、やっぱりバカだな』とか笑うつもりだ。きっと。
その気に………。
うっっ……なんか……。
ヤダよ。
からかわれてるって思っただけで胸がぎゅっとする。
くそっ。高遠め。
もう……しっかり……高遠の悪戯に引っかかってるよ。
てか、公園内には他にもカップルいるけど、オレ達が一番べったりな気がする。
いや、オレ達はカップルじゃないけど。
カップルじゃないのに、なんでこんなイチャイチャしてんだよ。
もう、高遠頭おかしいよ。
これで口説いてないとか言ったら本当に頭おかしいから……。
もう……口説けよ。
いっそ、口説いてくれ。
じゃないとなんかスッキリしない。
「ああ。いいぞ。なんて言って欲しい?」
「は……?」
「冗談だ」
「え?何が?」
「まあ、リクエストがあるなら応えるけどな?」
えーっと、オレがぼーっと考え事をしている間に、なんか話が進んでしまったみたいだ。
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