6-河南は告白に動揺するがスルーされる

6/6
前へ
/40ページ
次へ
「ああ、ごめんごめん。怒るなよ。でも、ちょっとバカなところもすごく可愛い」 「嬉しくない。てか、ムカつく」 「そうか。でもそんな河南も可愛いよ」 そう言ってまた、ぎゅっとされる。 「雑だ。『そんな』ってどんなだよ」 「ふふ……そうだな。どこもかしこも可愛い」 今度は頬をつつかれた。 う……なんだろう。 もう、誤摩化しようのないくらいイチャイチャしてないか? これで口説いてないとか言ったら、逆に頭おかしい……。 いや、でも高遠の悪ふざけスキルは想像を軽く越えてきそうだからな。 オレをその気にさせて、あとで『河南、やっぱりバカだな』とか笑うつもりだ。きっと。 その気に………。 うっっ……なんか……。 ヤダよ。 からかわれてるって思っただけで胸がぎゅっとする。 くそっ。高遠め。 もう……しっかり……高遠の悪戯に引っかかってるよ。 てか、公園内には他にもカップルいるけど、オレ達が一番べったりな気がする。 いや、オレ達はカップルじゃないけど。 カップルじゃないのに、なんでこんなイチャイチャしてんだよ。 もう、高遠頭おかしいよ。 これで口説いてないとか言ったら本当に頭おかしいから……。 もう……口説けよ。 いっそ、口説いてくれ。 じゃないとなんかスッキリしない。 「ああ。いいぞ。なんて言って欲しい?」 「は……?」 「冗談だ」 「え?何が?」 「まあ、リクエストがあるなら応えるけどな?」 えーっと、オレがぼーっと考え事をしている間に、なんか話が進んでしまったみたいだ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

262人が本棚に入れています
本棚に追加