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さっきから河南が腰をもぞもぞしている。
自分の下半身が反応してしまっているのに気付いてどうにか誤摩化そうと必死なんだろう。
キスから意識がそれている。
健康的な男子なら、好きな人にふれられて反応するのはおかしな事じゃない。
ちゅ……はむ……ん。
うーん。ちょっとからかってやりたいけど、
『河南、言葉じゃなくってチンコで愛の告白か?積極的だな』
なんて言ったら多分限界突破して逃げられるだろうな。
んーちゅっ。
「ぁ…も……ん……また……いちゅまでするんら。ん……んーー!」
お?輪をかけて甘えた可愛い声を出し始めたな。
コイツ、マジで公園だって忘れてるのかも。
まあ、わかってて追い込む俺も大概だけどな。
「んぁ……河南。言わなくってもわかってるけど、やっぱ聞きたい。んちゅ……な?好きって言って?」
「……。や…んん…やら……はむぅ……」
んー。やだって言うその口調が甘い。
バカだから気付かないのかな。
こういう時は『好き』って言うまでやめてもらえないもんなんだぞ河南。
河南は深い口づけより、浅くくすぐるようにキスした方が反応がいい。
「ちゅ……河南。好きだぞ。ちゅ……。スキ。わかるか?ほら、言え。スーキ」
インコに言葉を覚えさせるように繰り返す。
河南ももぞもぞと口を動かす。
あきらかにキスに応えるのとは違う動き。
……うっ。これは言いたいけど言えない……というヤツか。
「んちゅ…ちゅ……河南……ほら、言って。スーキ」
「………」
「んちゅ……。っほら、もうちょっと。ガンバレ。言えるだろ?」
なんか、楽しい。
「……き……」
キスをやめ、言葉を待つけど、河南の口からそれ以上出て来ない。
「ちゅ、ちゅ……ちゅ……。河南、もう一回。ほらもう少しちゃんと言って。俺の事、好きだろ?」
「んぁ……んーんー!もうっ!もう言った」
「もうちょっとだけハッキリ言って」
「んぁあ……。やっっもう、しつこい!好きって言わなくってもわかってんだろ!」
「河南。な、お願い。ちゅ……」
「あ…もうぅっぅ……。ぅう……。すきぃ………」
河南が可愛い。
泣きそうな声で俺の事を『好き』だと言った。
可愛過ぎるので、当然また河南にキスをする。
キスの間に『もうやだ』とか『もういいから』とか聞こえてくるけど、自分から俺にガッシリとしがみついてるってことには気付いてないらしい。
ヤダヤダ言いながらしがみつかれるのはなかなか気分がいい。
しかし、ここは公共の場なので、少しわきまえて欲しい。
無理矢理に猥褻行為をはたらいているなどと、勘違いされて通報されでもしたら怖いからな、河南。
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