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クリスマスでデコられたショッピングモールをブラブラ歩き回る。
「紗英、これなんか可愛く無い?」
「サンタ柄のシャーペン?トナカイもいるじゃん、可愛いー」
「買っちゃおうかなー」
「クリスマス終わると魅力半減だから、よく考えるんだよ」
「そうだね」
ぶらぶら歩いていると、大きなツリーにぶつかった。
「「懐かしいね」」
2人でハモる。
「やっぱり思い出す?保育所のツリー飾り」
お迎えが遅い私たちは、物心着いた時から毎年一緒に保育所の大きなツリーに飾り付けをした。
延長保育で子供が少なくなってからツリーを飾り付けていたっけ。
「延長保育で毎日紗英と遊んでたから、高校で再開しても違和感なかったね」
「延長保育、懐かしいねー。絵本ばかり読んでたアキちゃん、まだハイハイのタッくん、そうそう、あの頼りないシュウくんもいたねー」
「紗英、頼りないって……」
「遥香が言ったんだよ。告ったシュウくんに『頼りないから嫌だ』って。本人はいつも泣き虫遥香を守っていたつもりだったから、すごく凹んでたよね」
「もう、時効にし……」
「あれ?」
紗英が私の肩越しに何かを見つける。
「どうしたの、紗英?」
「あの人、先輩じゃない?」
あっ、あの代理告白の女の子を振った先輩だ。
「おっ、隣は三年生で指三本に入る美女じゃん」
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