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クリスマスケーキの甘さに元気付けられて、
紗英と別れた後の足取りは軽い。
家の近くまで戻ると、ジャージ姿の姫川くんがガードレールに腰掛けていた。
「おかえり」
溢れんばかりの笑顔で笑いかけてきた。
甘い茶色の髪が風に揺れた。
「何してるの?こんなところで」
「先輩待ってた」
「?」
「先輩が泣いてるような気がして」
「泣いてなんかいないよ」
「クスッ。でも、悲しそうだね」
また、いつもみたいに頭を撫でて欲しくなったけれど、姫川くんは撫でてくれなかった。
そのかわり、
「どうしたの?」
と優しく尋ねてくれた。
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