4人が本棚に入れています
本棚に追加
「せいかーい。自然だよね。
コーヒーと牛乳はね、お互いが混ざり合いたいから、何をしても自然に混ざっちゃうんだ」
姫川くんは何か伝えたいみたいだけど、
何なのかよくわからない。
「どうして混ざり合いたいか、わかる?」
私は姫川くんを見上げ首を横に振った。
綺麗な顔が夕日に照らされてキラキラしてる。
「それはね、混ざったら幸せだから」
「幸せって?」
「じゃあね、スプーンで混ぜたらどうなると思う?」
私の疑問には答えてくれない。
「さっきより、速く混ざる、かな?」
姫川くんはニコッと笑って続けた。
「スプーン使うのと使わないので、出来たミルクコーヒー、何か違う?」
「混ざってしまえば…、同じ、かな」
「そうだよね。混ざる速さは違うけど進む先は同じ、それが、そいつらが幸せと思う方向」
「………」
「僕が何を言いたいか、わかる?」
「ミルクコーヒーの、……幸せ?」
「クックックッ、大ハズレ」
姫川くんは肩を震わせて笑った。
最初のコメントを投稿しよう!