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「あのね、先輩はスプーンなの」 私がスプーン? 「男と女がコーヒーと牛乳。スプーンがあってもなくても二人は幸せの方向へ進む」 大きな瞳がゆらりと揺れる。 「水と油だったら、スプーンで混ぜても、直ぐに別れちゃうでしょ。それは別れることが幸せだからだよ。別れたのスプーンのせいじゃないよね?」 すぐ隣に姫川くんの温かさを感じる。 「小野先輩。先輩は『神』なんかじゃ無いよ。『告白のスプーン』なの、わかった?」 告白の……スプーン…… 重いものが肩から降りた気がする。 知らないうちに私を悲しめていた重いもの。 「……わかった」
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