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「やっと、気付いた?遥香ちゃん。 頼りないシュウくんです」 濃い琥珀色の大きな瞳が、嬉しそうに覗き込む。 「クッ、気づくの遅すぎー」 「だ、だって、名前違うじゃん」 「『しゆう』が言えなくてシュウって呼び始めたの遥香ちゃんだよ」 「……」 「ねぇ、今も頼りない?」 「……」 紗英にも言ったけれど、それは時効にしてよ。 「ねぇ、僕に頼りないって言った後、なんて言ったか覚えてる?」 シュウくんの濃い琥珀色の丸い瞳がゆらりと揺らいだ。 「……覚えてる」
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